カクレミノ

慌ただしい毎日を少しだけ忘れて、のびのびと綴っていきたいです

映画「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」を見ました

15:00より外出。東京は真夏日。木々を見ると、心が癒やされる。

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出かける前に、グレン・グールドのドキュメンタリーを見る。天才ピアニストの愛と孤独。ミステリアスなイメージだが、ある程度はパフォーマンスだったらしい。こだわりが強く完璧主義、音楽家としては天才だが、心は普通の人間なのだと思った。繊細で弱い、普通の人間。一緒に見ていた妻に感想を求めると「男の人だね」とのこと。神経質ということか。グールドは夏目漱石の「草枕」を愛読していたという。漱石も神経衰弱だった。

晩年、パラノイアが悪化し、ドクターショッピングを繰り返していたグールドは、医師から提案された「規則正しい健康的な生活」は拒否し、薬に頼り続け、夜型の生活を続けていたらしい。グールドが、日光や自然に触れ、健康的な生活をしていたら、もう少し長く生きられたのか、などと思った。

しかし、たとえ心身を蝕むことになろうともこだわりを貫く生き方と、角がとれてもしぶとく生活者として生き抜く生き方。凡人の僕には後者の生き方しか望めないが、グールドにとってこだわりを捨てるということは、自分でなくなってしまうことなのだろう。

若くして天才ともてはやされ、栄光を手に入れたように見えても、長い人生には浮き沈みがある。いい時もあれば悪い時もある。グールドは友人の妻と関係を持ち、結婚まで考えていたことがあったという。連れ子たちも彼に懐き、幸せな日々が続いたが、グールドのパラノイアの悪化により、この関係も崩壊してしまう。

人間関係の始まりにはときめきがあるが、時が経つうちに、傷つけ合う関係に変わる場合がある。長期的な信頼関係を築くために、お互いが関係性をメインテナンスする、ということは、自分の心を開くことができるのか、潜在意識に気づけるのか、ということでもあると思う。

死の1年前に録音されたゴルドベルク変奏曲は、この数カ月間本当によく聴いた。今までは、単純に美しいものとして受け取っていたが、これからは、胸を突き刺すものを響きの中に感じるだろうかと思った。

グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独 [DVD]

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バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

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